Pixel 5の広角カメラを試してみた
Googleのスマートフォン、Pixel 5のカメラを試してみました。
Pixel 3の時は夜景撮影がとても良くなり、Pixel 4の時は星空撮影が可能となった上、標準+望遠のデュアルカメラになりました。Pixel 5は、これまでのカメラの進化はないようで、基本的にPixel 4と同じのようです。ただ、望遠カメラはなくなり、標準+広角のデュアルカメラになりました。
今回、出かけたついでにPixel 5で写真を撮ってみましたので、紹介します。
カメラのスペック
カメラの基本的な仕様は、Pixel 5の技術仕様のページに書かれています。
いくつか、背面カメラの仕様を引用してみます。
標準カメラ | 広角カメラ | |
画素数 | 12.2メガピクセル (4032×3024) | 16メガピクセル (4644×3484) |
画素サイズ | 1.4μm | 1.0μm |
絞り(開放F値) | F1.7 | F2.2 |
視野角 | 77° | 107° |
Exifデータによると、標準カメラ(1倍)は35mm判換算で焦点距離27mm相当、同じく広角カメラ(0.6倍)は焦点距離16mm相当になります。デジカメの世界で言えば、それぞれ「広角」「超広角」に相当しますが、それだと文章が分かりにくくなってしまいますので、本記事では「標準」「広角」と呼ぶことにします。
いくつかネットの記事を見ていると、標準カメラについてはPixel 3、Pixel 4と同じもの(Sony IMX363)が使われているそうです。広角カメラは、上表の画素数や画素サイズを見ても分かるとおり、標準カメラとは違うセンサーを使っているようです。
画素数は、両カメラで異なります。RAWデータとして保存すると、上表のように「標準は12.2メガピクセル、広角は16メガピクセル」で保存されます。ただし、一般的に使われるJPEG形式で保存する場合は、どちらのカメラで撮影しても12.2メガピクセル(4032×3024)で現像・保存されます。RAWデータを見ると、広角カメラだと端っこの方がかなりゆがんで写りますので、それをデジタル的に補正する際にはみ出る(実質的に画素数が減る)ことを見越して、高画素のカメラを採用したのかもしれません。
ちなみに、RAWデータでの保存は、カメラ画面で「 >マーク → 歯車マーク → 詳細設定 → RAW+JPEGコントロール」をオンにすると設定でき、JPEGファイルとRAWファイル(拡張子dng)で保存されるようになります。ただ、通常のJPEGのファイルサイズは3MB程度なのに対し、RAWデータは15MBほどと、かなりストレージを食いますし、画像の修正・現像にはRAW現像ソフトが必要です。なので、通常はJPEGのみの保存でよいと思います。
ファイル名について
通常の写真・動画のファイル名
撮影した写真や動画のファイル名は、通常は撮影日時を含めた「PXL_日付_時分秒ミリ秒.拡張子」の形式になります(例えばPXL_20201030_210936957.jpg)。ただし、この日時は日本時間ではなくUTC(協定世界時)です。日本時間はUTCに対して9時間進んでいますので、ファイル名に9時間足した時間が撮影した日本時間になります。
また、JPEG写真の場合は拡張子jpg、RAWデータは拡張子dng、動画は拡張子mp4になります。
パノラマや夜景モードで写真を撮影した場合
パノラマ撮影モードや夜景モードなどの設定で写真を撮影した場合、それらのモードで撮影したと分かるファイル名になります。
パノラマ撮影の場合は拡張子の前に「.PANO」が足され、夜景モードの場合は「.NIGHT」が足されて「PXL_20201101_083050596.PANO.jpg」というようなファイル名になります。
アクティブモードなどで動画を撮影した場合
Pixel 5では、動画撮影のモードとして「ロックモード」という視線を固定するモード、「アクティブモード」という強力な手ぶれ補正モード、そして「シネマティック撮影モード」という一部スロー再生するモードが用意されています。
これらも、そのモードで撮影されたと分かるような名前が付与されます。ロックモードの場合は「.LOCKED」、アクティブモードの場合は「.ACTIVE」、シネマティック撮影モードの場合は「.CINEMATIC」という単語が拡張子の前に追加され、「PXL_20201031_000429533.CINEMATIC.mp4」というようなファイル名になります。
ちなみに、これ以外に「スロモ録画」、「タイムラプス」という動画撮影モードがありますが、これらのファイル名は通常の動画と同じファイル名となります。
広角カメラについて
標準、広角それぞれで風景を撮ってみた
ズーム倍率1倍(標準カメラ)と0.6倍(広角カメラ)で、風景を撮り比べてみました。1枚目は標準、2枚目は広角です。
山や下のフェンスを見ていただくと、広角カメラの方がより広い範囲を写せています。
上の雲を見比べると、色味(ホワイトバランス)が違っているように見えますが、おそらく写っている風景によって調整されただけで、カメラの違いによるものではないでしょう。
広角カメラの方がF値が大きい(暗い)ためか、ISO感度も高めになっています。それによって暗い部分のノイズが標準カメラより多いように見えます。
標準、広角それぞれで接写してみた
続いて、オムそばを接写で撮ってみました。同じく、1枚目が標準カメラ、2枚目が広角カメラです。オムそばが同じくらいに写るようにしましたので、広角の方がオムそばに近づいて撮影しています。
両方ともオムそばにピントを合わせて撮影したのですが、どうも広角カメラの方はピントがうまく合っておらず、接写が苦手のようです。
また、背景は標準カメラの方が良くボケます。これは、焦点距離が長い方が、またF値が小さい方がボケやすい、という性質から、標準カメラの方がボケるのだと思います。
広角カメラは端っこがゆがむ
広角カメラだと端の方が割とゆがみます(これはPixel 5に限らず、広角レンズ全般に当てはまることだと思います)。次の写真にクルマがたくさん並んでいますが、端の方は伸びて写ったりしています。
また一般論として、建物などを広角カメラで撮ると、少し上向き・下向きにしただけで建物の上・下がすぼまって写ってしまいます。その場合は、カメラを前傾も後傾もさせず、目線をまっすぐ水平に向けるとよいでしょう。
標準⇔広角の切り替え時に、少しカメラ位置が動く
Pixel 5の背面を見ると分かるように、標準カメラと広角カメラは少し離れて設置されています。そのため、標準カメラ(1倍以上)と広角カメラ(1倍未満)の境目で、視座が動きます。
広角カメラは撮影対象と距離がとれないときにも使うと思いますが、そのような場合は視座の動きが気になるかもしれません。
ちなみに、標準+望遠だったPixel 4も1.8倍くらいで視座が動きますが、望遠は遠くを撮るときに使うものですから、あまり気になる場面はありませんでした。
パノラマ撮影
パノラマ撮影は、今までのPixel 4などと同じ撮影方法です。
スマホを縦に構えて撮影スタートし、そのまま横に移動していくとパノラマ撮影ができます。
左側は朝焼けで明るく、右側は日が当たらず暗い、という条件でしたが、それぞれの方向で明るさを調整して撮影してつなぎ合わせてくれますので、HDRな感じに仕上がります。ただ、明るさ調整の名残か、空の部分に縦縞があるのが目立ちます。
機会があったら、夜景モードや動画撮影についてもいろいろ試してみたいと思います。
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